はじめに
漢方の説明って難しくないですか?構成生薬を見ても甘草入っているかチェック。それだけで終わってませんか?そんな方に向けての記事です。そして今回参考にした名著をまず紹介します。

寒熱理論
症状を寒熱と表す事がある。一般的に寒熱のバランスが取れた中間が理想を言われている状態です。日常で使う寒熱のイメージ冷え性や発熱・ほてりをイメージするのではないだろうか?しかし東洋医学での「寒熱」は少し異なっている。
熱のイメージ
「体温が高い」「ほてり・のぼせ」「炎症」「活発的」「乾燥」等を表している。
- 「炎症」
発熱:体が熱を持っている
皮膚炎:皮膚が熱を持っている- 「活動的」
不眠:脳が活発的(熱を持っている)
過食:胃が活発的(熱を持っている)- 「乾燥」
皮膚の乾燥:皮膚に熱を持っている
コロコロ便:朝に熱を持っている
寒のイメージ
「冷え」「活動的ではない」「潤い」等を表している。
- 「冷え」
冷え性:寒を持っている- 「活発的ではない」
消化不良:胃が寒を持っている
食欲不振:胃が寒を持っている
治療法
「熱」があれば冷やす。「寒」があれば温める。怪我をした際のアイシングをイメージしていただければと思います。余談になりますがダイエットで有名な防風通聖散をどう説明していますか?防風通聖散には食欲を低下させる(活動的な胃を冷ます)セッコウ、腸を冷やすダイオウが入っています。冷たいものを飲んでお腹を下したことはないだろうか?ダイオウにはそのような成分が入っています。すなわち、防風通聖散は寒熱理論だけでもそれなりに通ぶれるということです。「気血水理論」ではダイオウは瘀血を取るのに必要な生薬でもあるためそれを説明すればさらに通ぶれるということです。
「寒熱理論」で重要な生薬と漢方
温める生薬
ケイシ、ブシ、ニンジン、カンキョウ、サンショウ、コシュユ、マオウ冷ます生薬
オウゴン、オウレン、オウバク、サンシシ、セッコウ、ダイオウ、リュウコツ、チモ
温める漢方
- 大建中湯
カンキョウ、ニンジン、サンショウ - 人参湯
カンキョウ、カンゾウ、ソウジュツ、ニンジン - 呉茱萸湯
タイソウ、ゴシュユ、ニンジン、ショウキョウ
冷ます漢方
- 黄連解毒湯
オウレン、オウバク、オウゴン、サンシシ - 大黄甘草湯
ダイオウ、カンゾウ - 辛夷清肺湯
セッコウ、バクモンドウ、オウゴン、サンシシ、チモ、ビャクゴウ、シンイ、ビワヨウ、ショウマ
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