「ジェネリック医薬品、やたら勧められる…」そう感じたことはありませんか?
最近、薬局で「ジェネリック医薬品にしますか?」と聞かれることが増えたと感じる方も多いかもしれません。 「安くなるなら…」と納得する方もいる一方で、「なんでこんなに熱心に勧めてくるんだろう?」「裏があるんじゃないか?」と、どこかもやもやとした気持ちを抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、薬剤師がジェネリック医薬品をおすすめする理由には、皆さんの医療費負担を減らすため、そして日本の医療を支えるため、という正当な理由に加えて、**薬局側の「ある事情」**も関係していることをご存知でしょうか?
今回は、普段はあまり表に出ない、薬局の舞台裏に存在する**「後発医薬品調剤体制加算」**という制度について、「暴露」という形で皆さんに正直にお伝えしたいと思います。
「後発医薬品調剤体制加算」って一体何?
私たちが普段利用している医療サービスには、全て「診療報酬」という点数がつけられています。この点数に基づいて、医療機関や薬局は国からお金を受け取っています。
その点数の中に、薬局が「後発医薬品(ジェネリック医薬品)をどれだけ多く調剤したか」によって、薬局が追加で得られるボーナス点数のようなものがあるのです。これが、**「後発医薬品調剤体制加算」**です。
具体的には、薬局全体の調剤実績のうち、ジェネリック医薬品の割合(後発医薬品使用割合)が一定の基準(例:80%以上など、細かくはランク分けされています)を超えると、薬局は、皆さんが出す処方箋ごとに、普段の調剤料に加えて追加の点数(お金)をもらえる仕組みになっています。
なぜ、このような制度があるのか?~国がジェネリックを推す本当の狙い~
この「後発医薬品調剤体制加算」は、国が日本の医療費を少しでも抑えたい、という強い意図から作られた制度です。先発医薬品は開発費がかかるため高価ですが、ジェネリック医薬品は安価です。全国民がジェネリック医薬品を選べば、医療費全体が大幅に削減できます。
だからこそ国は、薬局に対して「ジェネリック医薬品をもっと患者さんに使ってもらおう」と働きかけるために、この加算を設けたのです。薬局側からすれば、ジェネリック医薬品の推奨は、患者さんの負担を減らすという大義名分だけでなく、薬局の経営を安定させるための重要な要素の一つでもあるわけです。
「暴露」から考える、私たちの選択
「なんだ、結局薬局も儲けたいだけなのか…」そう感じてしまう方もいるかもしれません。しかし、この制度があるからこそ、薬剤師は皆さんにジェネリック医薬品のメリットを積極的に説明し、安心して使ってもらうための情報提供や努力をしている、という側面もご理解いただければと思います。
確かに、薬局は経営を成り立たせる必要があります。そして、その経営努力の一つとして、国の政策に沿った形でジェネリック医薬品の推進に取り組んでいる、というのが実情です。
薬剤師がジェネリック医薬品をおすすめする背景には、皆さんの医療費負担軽減、日本の医療費抑制という大きな目的があります。そして、その目標達成のために、薬局にインセンティブ(後発医薬品調剤体制加算)が設けられている、ということです。
この事実を知った上で、あなたがジェネリック医薬品を選ぶか選ばないかは、もちろん自由です。しかし、もし薬剤師が熱心にジェネリック医薬品を勧めてきたら、「ああ、薬局も頑張っているんだな」と、その裏にある事情を少しだけ思い出していただけると幸いです。そして、何か不安があれば、遠慮なく薬剤師に質問し、納得した上で賢い選択をしてください。



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