漢方入門!通ぶれる漢方理論「気血水理論」の「血」編

はじめに

今回は「気血水」の血について記事にします。まずは今回も名著の紹介。

気血水理論とは

ざっくり病気は「」「」「」のバランスが乱れたときに起こるという考え方です。

それぞれの要素が不足している状態(虚)なのか。流れが滞っている状態(帯)なのか考える理論であると言い換えれます。

それぞれの要素を簡単に説明すると、、、


  • エネルギー、やる気、元気
    気虚:不足している状態
    気滞:流れが滞ている状態
    気逆:逆行している状態

  • 血液(栄養は血液を介して届けられる)
    血虚:不足している状態
    血帯(別名:瘀血):流れが悪い状態

  • 血液以外の液体(胃液、尿、汗等、、、、)
    水虚:不足している状態
    水滞(別名:水毒):流れが悪い状態

「血」とは文字の通り血である。しかし漢方を学ぶ際、「栄養を届ける液体」という意味で捉えると全体像がイメージしやすい。また、血液循環とホルモンに大きく関与しているといわれており貧血だけが血虚ではない。栄養が行き届かず肌がカサカサになっている状態は血虚の症状と言える。
不足すると血虚、滞留すると血滞(瘀血)である。

血虚

血虚とは「血」不足している状態です。
先程、「栄養を届ける液体」「血液循環、ホルモンに関与」と説明したように貧血や各臓器に栄養が届かない症状、貧血、めまい、肌のカサつき等がある。特に女性は生理がある関係上「血」のバランスが崩れやすい。生理前の血が溜まっている状態(瘀血)生理後は貧血(血虚)。血を補う生薬として代表的な生薬がトウキあり、婦人科でよく処方される当帰芍薬散、四物湯はまさにそれである。

血虚の症状
貧血、爪の変形、肌のカサつきなど

気を補充する生薬・漢方
生薬
トウキ、シャクヤク、ジオウなど

漢方

  • 当帰芍薬散
    シャクヤク、ソウジュツ、タクシャ、ブクリョウセンキュウトウキ
  • 四物湯
    ジオウシャクヤクセンキュウトウキ

血滞(瘀血)

血滞とは瘀血と呼ばれる。血の流れが滞っている状態のことを指す。青あざ、目の下のクマがイメージしやすい。血(栄養)が滞ているのでしびれが起こることも想像やすい。

血帯(瘀血)の症状
あざ、シミ、痛み(刺すような)、しびれ、動脈瘤

血帯(瘀血)を治す生薬・漢方
生薬
センキュウ、トウニン、コウカ、ボタンピなど

漢方

  • 桂枝茯苓丸
    ケイヒ、シャクヤクトウニンブクリョウ、ボタンピ
  • 桃核承気湯
    トウニン、ケイヒ、ダイオウ、カンゾウ
  • 疎経活血湯
    シャクヤクジオウセンキュウ、ソウジュツ、トウキトウニン、ブクリョウ、イレイセン、キョウカツ、ゴシツ、チンピ、ボウイ、リュウタン、ビャクシ、カンゾウ、ショウキョウ

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