漢方入門!通ぶれる漢方理論「気血水」の「水」編

はじめに

今回は「気血水」の血について記事にします。毎回、下記の名著に支えられている。参考文献は冒頭に。

気血水理論とは

ざっくり病気は「気」「血」「水」のバランスが乱れたときに起こるという考え方です。

それぞれの要素が不足している状態(虚)なのか。流れが滞っている状態(帯)なのか考える理論であると言い換えれます。

それぞれの要素を簡単に説明すると、、、

  • 「気」
    エネルギー、やる気、元気
    気虚:不足している状態
    気滞:流れが滞ている状態
    気逆:逆行している状態
  • 「血」
    血液(栄養は血液を介して届けられる)
    血虚:不足している状態
    血帯(別名:瘀血):流れが悪い状態
  • 「水」
    血液以外の液体(胃液、尿、汗等、、、、)
    水虚:不足している状態
    水滞(別名:水毒):流れが悪い状態

「水」は汗や胃液等「血」以外の水分で表され「津液」と呼ばれる。
不足している状態なのか(水虚)、流れが滞っているのか(水滞)。

水虚(津液不足)

水虚は水(みず)ではなく水(すい)が不足している状態であり、故に津液不足なのである。喉が乾けば水を飲めばよいがその原因は必ずしも水虚ではない。ずっと続く喉の乾きに対して水ばかり飲むだろうか?否。ほてり、空咳、ドライアイの治療で飲水と聞いたことはないだろう。だからこそ津液である。

水虚(津液不足)の症状
ほてり、ドライアイ、ドライマウス、空咳

水虚(津液不足)を治す生薬・漢方
生薬
バクモンドウ、チモ、ニンジン、カッコン、ジオウなど

漢方

  • 麦門冬湯
    バクモンドウ、コウベイ、ハンゲ、タイソウ、カンゾウ、ニンジン
  • 白虎加人参湯
    セッコウ、コウベ、チモ、カンゾウ、ニンジン

水滞(水毒)

水滞は水毒とも言われ水の流れが滞っている状態のことを指す。むくみ、胃酸過多が症状としてあげられる。水の流れを良くすることが目的である。故に漢方医学で「利水」と呼ばれ「利尿」とは区別する必要がある。二日酔いで有名な五苓散をイメージシていただきたい。顔がむくみ、尿量が減少、吐き気あり。そんなとき利尿剤を飲むか?否、脱すにになるだけである。「上記症状は水滞(水毒)の症状であり利水の効果がある生薬含有の五苓散を用いることで水の流れを良くし二日酔いを楽にする。」これで通ぶれる。こと五苓散に関しては心不全、腸炎、頭痛、熱中症などでよく目にするだろう、水(みず)ではなく水(すい)の流れをイメージするとプロのように振る舞えるであろう。

水滞(水毒)の症状
むくみ、胃酸過多、嘔気、頭痛など

水滞(水毒)を治す生薬・漢方
生薬
ブクリョウ、チョレイ、タクシャ、ソウジュツ、ヨクイニン、ボウイ、マオウ

漢方

  • 六君子
    ソウジュツニンジンハンゲブクリョウ、タイソウ、チンピ、カンゾウ
  • 五苓散
  • チョレイブクリョウタクシャケイヒ苓桂朮甘湯
  • ブクリョウケイヒソウジュツ、カンゾウ

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